技術士による技術者のブログ

技術士の支援と国産エンジニアの再興

少子高齢化における人的資源管理

 技術士の試験日まで2週間となり、世界の先進国で深刻な問題である少子高齢化について考えてみます。

 総合技術監理部門のみならず各分野共通のテーマでありますが、所属する組織、業界についてどうやって改善していくか、一度自分の意見を整理すべきと思います。

 

 まず第一に、少子化により若手・新入社員の確保が難しくなってきます。優秀な人材は引く手も数多で、かつては「代わりはいくらでもいる」とか、「会社の歯車」いった話もよく聞きましたが、現在は「人材は大事に育てるもの」という認識です。地方では人口流出が加速していますので、何らかのインセンティブを設けないと歯止めがかからないでしょう。具体的な妙案がありますでしょうか?

 人材育成制度は、昔の職人さんは「背中を見て覚えるものだ」といって、OJTどころか現場を連れまわし、とにかく下積み経験を重視しましたが、今はその流れは変わっています。建設業界においても、管理技術者に若手や女性を抜擢する方が、有利な発注条件さえ現れています。

 つまり、世代の若返りを意識し、古い教育制度は改善する必要があろうかと思います。これは、会社の社風や文化と大きく関わってくるので、経営層の頭の切り替え、いわゆるトップダウンが非常に重要です。得てして経営層の世代は、社風を変えていくことに相当な決心が必要ですが、教育制度を若手の成長に有効なシステムか、今一度検証してはいかがでしょうか。

 

 続いて、高齢化にかかる課題は、定年年齢も伸びる傾向で、再雇用の人材を上手に利用している会社もたくさんあり、ある程度対応してきている感じを受けます。若手とは逆に、これまで培った経験や知識をスポットで上手に適用してもらい、長時間労働や体力勝負の現場は避けること、また、若手育成に携わってもらうことが有効かと思います。

 当然ながら、労働環境については注意しなければならない点がありますので、若手と同じように動けると思わずに、体力や持久力を考えて、人材と安全衛生管理を強化する必要はあるでしょう。各地の建設現場で事故が起こると、60歳以上の方が被害にあわれているケースを見ますので、気を付けなければと自戒しています。

 

 少しとりとめのない一般論になりましたが、皆さんの職場に適する改善方法を一度お考えいただければと思います。もちろん、正解はないかいもしれませんが、技術者としてバランスよく、また、経営陣の方は先を見据えた立場として、ご一考をと思います。