技術士による技術者のブログ

技術士の支援と国産エンジニアの再興

技術士という資格を考える(2)

 世には資格を取得し、個人で独立される方もたくさんおりますが、技術士は独立しやすい資格でしょうか?

 私の経験では、「看板は持っているが簡単には開店できない」と言わせていただきます。逆にどうすれば独立できるかを考えてみれば、建築士や測量士などの他の資格も同様と思いますが、『商売として成り立つだけの顧客を持てるか』、という点が実際の問題です。

 組織の中で業務担当している人は、新規営業を行ったり、納品までのお客さんとのお付き合いを大事にしているでしょうか?いわゆる、自分の人脈(もちろん社外)が構築されているかが独立には極めて重要になります。

 技術士として大活躍している技術者でも、独立が難しいのはその点です。

 むしろ小さな組織で仕事の上流から下流まで何でもやっている方が独立しやすいでしょうし、大組織で分業化されればされるほど、仕事の目的や落としどころが分からず、顧客と話ができないということになり、つまりは人脈も築きにくいというケースがあります。

 

 技術士として独立を目指している人は、私の知る限りそんなに多くはいません。しかし、コンサルティングを行うということは、顧客のあらゆる要望・要求を把握しているということが理想です。

 本ブログは、経営コンサルとは別の技術コンサルについてお話しておりますが、顧客の技術的課題を解決することはもちろん、仕事の上では経営的な相談も出てきます。

 その時に、「経営相談は他をあたってくれ」という対応を私は取りません。分からないながらも、相談に乗ってあげたいし、互いの悩みについて話ができる関係を大事にしています。

 また話がそれました。

 技術士は独立できるかという質問は、おそらく多くの技術士にとって愚問なのですが、そこには大事なエッセンスが詰まっているということなのです。

 独立するということは、単に個人で会社を持つということに留まらない。

社会人としての在り方を問うているのです。