技術士による技術者のブログ

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総監試験の新技術とは

総合技術監理部門の今年のトピックは「新技術」というお題でした。

 具体的には、『最近の科学技術の進展が引き起こした事業の内容や形態の変化とその影響、及び将来の科学技術の進展に伴ってその事業の内容や形態が大きく変化する可能性とその変化が及ぼす影響や課題について』、という内容です。

 

 当ブログで1ケ月前に「AI」がトピックとして出題されるとの予測をしましたが、「AI」という特定の技術名称は出なかったものの、各分野に将来やってくる「新技術への対応」がメインのテーマでした。また、1週間前にも、「超スマート社会の到来」について、IoTなどの技術が展開されるときに、新たに生ずる可能性について考えたい、という内容も記載しました。

 ただし、出題パターンについては過去の踏襲ではない変形パターンでした。まず、既に導入された技術に関する反省点を述べさせ、また、その上で遠い将来に更に新しい技術が導入されたときの課題について記載させるという、同じ内容を書き分ける問題形式は結構対応が難しいですね。

 また、過去に導入された新しい技術としては、例えば高速道路におけるETCとか、街角のあちらこちらに設置された監視カメラとか、ある意味、我々の社会生活や事業内容、事業形態に影響を与えたと思うものもあります。

 そして、これらの内容を論述する際に、総合技術監理の視点で書くという縛りがありますから、経済面、人的資源の面、安全、情報、社会環境面に関する課題を論じることになります。

 当然ながら、新技術はそれぞれ導入する目的があります。例えば自動運転方式であれば安全対策技術ということですが、エアバッグやABS装置の発想とも違った考え方やアプローチが生まれます。ただし、自動運転には自動運転なりの新たな課題が発生し、別のリスク検討が必要になりましょう。あるいは、経済面で自家用車の価格が上昇するという問題もあるかもしれません。

 遠い将来には、自動車社会全体に無人化技術が広まることが想定され、具体的には道路渋滞の解消や大気汚染・騒音問題が解決するメリットがありますが、別の問題も必ず起こることでしょう。それについては、ここでは詳述できませんが、各分野で何かしらの問題があるのではと思います。

 試験では、これらについて、各得意分野でどれだけ具体的な論述展開ができたかどうか、またできていなくても、課題点の解決方法が総監の視点でできたかどうか…。

 皆さま、どうか記述内容の再現を早めに行うことをお勧めします。