廃棄物処理の精神
廃棄物処理については、技術士受験以外の場面でも、勉強する機会が多いと思います。建設現場、工場、下水道、車のマフラーから出る排ガスであっても、考えようによっては気体状の廃棄物です。そして、核燃料廃棄物の問題は・・・・。
今日現在、我が国の1つの重要なテーマは、「災害廃棄物の処理」です。
東日本大震災に続いて豪雨や地震が毎年のように起こり、大量の廃棄物を同時に発生させることは勿論、自治体で普段構築した廃棄物処理システムが機能しなくなってしまうことで、がれきや土砂まみれのごみが放置されてしまう恐ろしい状況があります。
そもそも、日本人は世界でも優れた衛生観念を持った民族です。
欧米に比較して多湿でものが腐りやすい日本では、保存食と同様に廃棄物を適切に回収して処理する文化が生まれ、未だに諸外国と比較しても、全国的に清潔な国土となっていると思います。
ところが日本列島は天災も多く、水害や土砂災害が高い頻度で起こります。
現在の災害廃棄物がやっかいな理由は、量が膨大なこと以外に、「分別ができないこと」であると思います。ごみとして発生する予定がないものですから、分別などされる筈はなく、できればすべて管理型処分場に埋めてしまいたいほどです。
しかし、計画に災害廃棄物に対応することなど可能でしょうか?
環境省ホームページに、災害廃棄物の対策指針を示すサイトがあります。この中で、地方自治体は、平常時に災害廃棄物処理計画を作成し、まるで緊急避難と同様に、廃棄物に対する予防策を立てておく方針が書かれています。
これもある意味「戦略的」に、リスク対策しなければならない分野なのでした。